全米女子オープンとボビー・ジョーンズの意外な関係

ゴルフの記事を書いていて毎回思うことがある。それは「歴史」なくして語れないことだ。来週に控えた「全米女子オープン」についていろんなサイトを渡り歩いていて、新たな「歴史」に遭遇してしまった。

今年の米国女子ツアーメジャー第3戦「全米女子オープン」は米ミネソタ州インターラチェン・カントリー・クラブで開かれる。


interlachen2.jpg
photo: uswomensopen.com


このインターラチェンCCは全長6,789ヤード全米女子オープン史上最長のコースセッティングとなる。アメリカ中西部では名門コースの一つで、過去には全米オープンの予選会が開催され、最近では2002年のソルハイム・カップ(女子のライダーカップ)の舞台ともなった。


このコースが全国区になったのは1930年の全米オープンだった。当然、僕は生まれていないのでこの目で目撃したわけではないが、その年の全米はゴルフ史に残る大会となった。


優勝したのは・・・


jones.jpg

ボビー・ジョーンズ

ボビー・ジョーンズといえば「マスターズ」の創設者であり、アマチュアゴルファーの鏡であり、映画「ボビー・ジョーンズ ~球聖とよばれた男 ~」にもなっている伝説のゴルファー。この年、ジョーンズは全英、全英アマ、全米、全米アマと当時の4大メジャーと位置づけられていた大会を全て優勝してみせた。


いずれ、全英アマと全米アマはマスターズ、全米プロ選手権となり現在の「4大メジャー」の形になるわけだが、人類初の大快挙に当時のマスコミはふさわしいフレーズがないかと頭を悩ませていた。なぜなら、各マスコミはまさか一人のゴルファーが全4大会を優勝するとは思っていなかったからだ。


ある日、ジョーンズの地元でもあるアトランタの「アトランタ・ジャーナル」紙の記者が、ジョーンズの快挙を「グランドスラム」と名づけた。「グランドスラム」とは元来野球用語で「(4つの塁を踏む)満塁ホームラン」を意味して使われていて、4大会を制したジョーンズにふさわしく、馴染みやすいフレーズになった。全米各紙がこぞって使い始め、タイガー・ウッズが先日達成した「トリプルグランドスラム(4大メジャーを3回以上勝利)」も元はといえばジョーンズの快挙に遡るわけだ。


前置きが長くなってしまったが、そのジョーンズの歴史的「グランドスラム」の1つが今年の全米女子オープンの舞台インターラチェンCCで行われた。首位で迎えた最終日の17番ホール、ジョーンズはダブルボギーを叩きそのリードは1打になった。誰もがプレーオフ突入を感じていた最終ホール、ジョーンズは12メートルのバーディパットを沈め、見事に栄冠を手にした。


奇しくも、この1930年の大記録の後、ジョーンズは現役ゴルファーとして引退することになる。1923年から8年間でメジャー13勝。ジャック・ニクラウス(18勝)が登場するまで約40年間破られなかった。「もう彼には制すべきモノがなくなってしまった」と当時の新聞記者は書き綴っている。今日のタイガーを彷彿とさせるような言葉だ...。


インターラチェンCCでの全米女子オープンには、上田桃子宮里藍、横峯さくらなど日本人5名がエントリーしている。今年の女子メジャーはロレーナ・オチョアとヤニ・ツェンが勝利し、一人による「グランドスラム」達成はないが何か特別な記録が生まれそうな予感がする。


ミッシェル・ウィの復活?

アニカ・ソレンスタムの最後の意地?

それとも・・・。


待ち遠しい限りであると同時に、歴史あるゴルフというスポーツの奥深さを知った一日でもあった。


★最後に、ボビー・ジョーンズの華麗なスイング動画が見つかりました。


■Bobby Jones Golf Swing


■Bobby Jones - Clearing The Left Side


PR

Access Ranking

Golf-aholic.com