LGUの理解不能な言い分:15歳トンプソンが全英女子OPに出場できないのは「ミッシェル・ウィのせい」

Twitterでフォローしていただいている@mame_tamakaさんの呟きで思い出したので書いておこうかと。


先週のエビアン・マスターズで2位タイに入り、全米女子でも上位争いを演じた15歳アレクシス・トンプソン。ここにきて更に注目度が上がっているのですが、今週の全英リコー女子オープンの出場選手フィールドに入っていなくて、さらに先日行われた最終予選会のメンバーにも入っていませんでした。


あれ?自粛?そんな訳ない、と思っていたら、何とも不可解なコメントを発見。


「彼女が出場できないのは、ミッシェル・ウィのせい」(Ladies Golf Union)


は?


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photo: zimbio.com


先週のエビアン・マスターズ最終日、クラブハウスリーダーとしてホールアウト、最終的には申智愛に1打差及ばず2位タイで終了したトンプソン。それでも世界ランキングでもトッププレーヤーが集う大会で2位タイは立派すぎる成績。


トンプソンは今年の「カーティス・カップ」(米国VS.イギリス・アイルランドの女子アマチュア団体戦)に出場。チーム入りした選手たちには全英女子オープンの「最終予選会」の出場権が与えらるのですが、トンプソンは6週間前にプロ転向したためこの権利が剥奪されてしまっていたのです。


その事実はトンプソンも彼女の家族も承知していたのですが、先週の2位タイという好成績を挙げた後、レディース・ゴルフ・ユニオン(LGU)に翌日開催される最終予選会に「特別枠」で出場できないか依頼したそうなのです。


言いたいことはよく分かります。どれだけ実力があるからといって本大会にいきなり出場させてくれ、とお願いするのは虫がよすぎる。だったら、せめて予選会に...。


LGUの回答:「No」


LGUの最高責任者ショーナ・マルコーム曰く、今回のトンプソンの件は運営団体としてはどうすることもできないとのこと。その背景には、5年前の全英女子オープンで当時出場資格がなかったミッシェル・ウィに本大会出場の「特別枠」を与え、それがきっかけで優遇措置に関する基準が厳しくなったことがある、とのこと。


5年前(皮肉にも同じロイヤル・バークデール)の全英女子オープンに出場したウィは3位に入ったのですが、


「(ウィの)『特別枠』に関して周囲の選手から批判があり、それ以来我々は規制を一層厳しくしています」


とマルコーム氏。噛み砕いて言うと、


5年前にウィに特別枠をあげてトラブルがあったから、どれだけトンプソンが優れた選手でも同じ特別扱いをするわけにはいかない。


と言っているようなもの。


運営母体のスタンスとして違和感を感じたのは僕だけでしょうか...。まず、ウィに特別枠を設置したのはLGUが内部で話し合って決めた結果であり、ウィには一切の責任はないはず。トンプソンが出場(出場する権利を獲得するための試合にも出場)できないことを当の選手(ウィ)、そしてそれを非難したその他選手たちに擦り付けているようにしか聞こえません。


しかも、トンプソンに優遇処置を与えるか否かを議論している対象が5年前のこと。女子ツアー、ゴルフ界を取り巻く環境もこの5年間でガラっと変わっています。あぐらをかいていても客が集まって視聴率が取れるような魅力的なツアーではないですし、アニカもオチョアも(そういう意味ではタイガー並みの引きの強さを持っていたウィも)いない。女子ツアーの現況を踏まえれば、トンプソンにせめて出場するチャンスを与えても、叩かれることはなかったのではないでしょうか...。


5年前にウィを優遇したことで選手から非難され、それ以降「特別」扱いを一気に減らし、5年後にトンプソンに対して首を横に振り、今度は逆に非難されています。それはトンプソンが出場していれば、ツアー全体として得るものが大きかったと感じる関係者、メディアが多いからではないでしょうか。


トンプソン(と家族)は今回のLGUの判断には反対していましたが、大きな波風を立てずに米国に帰国。来年も、きっとその先も、メジャーに毎回出場してくる逸材ですし、きっと本人も今回の件を励みに頑張ることでしょう。


それより必要なのはLGUが特別枠に関するスタンスを確立し、それを貫くことではないでしょうか。


突然、責任転換されたウィも含め、それを望んでいる人は多いはずです。

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