動揺するのが分かっていながらなぜライダーカップ欧州チーム推薦発表は待てなかったのか?

後だしジャンケンのように聞こえてしまうのが非常に心苦しいのですが、ここ数ヶ月、毎週更新していたライダーカップ欧州チームのポイントランキングの注意書きにこう記載されていました。


『3. 2010年8月29日、「ジョニー・ウォーカー選手権」終了後にチームキャプテンのコリン・モンゴメリーが残り3名を選出。』


時間までは発表されていなかったので、あまり気にも触れていなかったのですが、まさかアメリカでザ・バークレイズが開催されている最中に発表されるとは思ってもいませんでした。


そして、やはり、予期せぬ事態に動揺する選手が出てしまったようです。

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photo: zimbio.com


ザ・バークレイズ最終日、アメリカで戦っていた4名の選手が推薦候補として挙がっていました。


・ポール・ケイシー
・ジャスティン・ローズ
パドレイグ・ハリントン
ルーク・ドナルド


この中で先頭を切ってラウンドをスタートしたのがルーク・ドナルド。この日、ネットの中継、ライブスコアボード、そしてTwitterを同時並行で見ていたのですが、ドナルドが前半からものすごい勢いでチャージをかけていて、10番を終えてこの日7アンダー。10アンダーまで伸ばし、優勝争いに浮上してきたのです。


ドナルドがラウンドを開始し始めたあたりで欧州ツアーのライダーカップキャプテン推薦の発表が現地の午後6時、日本時間で午前2時、アメリカの東海岸時間で午後1時になるとTwitterで流れ、ここはチーム入りを狙っているだけに最後の猛アピールをしているのか!?・・・と思い動向を見守っていました。


すると、Twitter上で欧州キャプテン、コリン・モンゴメリーの推薦選手(ドナルド、ハリントン、E.モリナリ)が発表されるや否や、ドナルドが一気にスコアを崩し始めたのです。


10番ホールで推薦されたことを知ったドナルドは11番ホールでボギー。いつの間にかTwitter上で「デスツイ」の称号を得ている当サイトのTwitterアカウントで、こんなくだらない会話もしていると・・・


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続く12番もボギー!


一気に8アンダーに後ずさり。結局、この11番ホールを境にドナルドは1バーディ、5ボギーで通算6アンダー。これがドナルドの最終日のスコアカード。


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via pgatour.com


分かりやすいというか、感情がそのままスコアに現われたというか・・・。ラウンド後、選出されたことと2連続ボギーが関係あるのかと聞かれ、


「実は、ありました。ビックリした。チーム入りできなかった選手たちを気の毒に思う。特にポール。ジャスティンもチーム入りするだけの成績は残していて、彼が選ばれていても何の驚きもなかった。ただ、ポール・ケイシーは世界No.9(今は8位)で全英オープンで3位タイ、全米プロではあと少しでトップ10、そして輝かしいマッチプレーの戦歴。彼がチームに入らなかったことは残念だ。そして、僕の兄(クリスチャン)が彼のキャディだし、兄にも気の毒だった。驚いたのは事実。(選出と聞いた後)そのことを考えないでゴルフに集中しようとした。でもバック9で(集中する)ことはできなかったね」


とラウンド中の選出発表がこの大会の成績を左右したと言っています。


そしてもう一人。パドレイグ・ハリントン。彼は奇しくもケイシーと同じ組で回っていて、最終日のスコアカードがこちら。


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via pgatour.com


ご覧の通り、まったく良いところのないラウンド。彼が朗報を知ったのは6番ホール途中。次のホールボギー。そしてこの日「75」というスコア。


一人が当選、一人が落選した組で違和感はなかったかと聞かれ、


「辛い結末が待っているというのは分かっていたこと。自分も動揺して頭の中がパニック状態だった。不思議なことに、選出されたと聞いてから5、6ホールほど全くゴルフにならなかった。気まずい状況だったのは確か。チーム入りできたことは嬉しいが、純粋にポールは気の毒に思う。こういうシチュエーションは心地よいものではない。ただ、自動的にチームに入らない限り、こういうことが起きる可能性は想定できたこと」


と言っています。そしてケイシーのラウンド後のコメントは先ほど紹介したとおり。


ローズは練習場でウォームアップ中に電話が鳴り、落選した旨を伝えられたとのこと。この4名の中で最もスコアを崩してもおかしくないケイシーのスコアカードがこちら。


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via pgatour.com


7番ホール以降、崩すどころか3つ伸ばしています。棄権しててもおかしくない心理状況で、このスコアは彼が最も誇るべき。素晴らしいの一言です。


どうにも納得いかないのがジョニーウォーカー選手権の試合終了「直後」にこの発表をしなければいけなかった欧州ツアー、そしてキャプテンのモンゴメリーの配慮のなさだ。時差の問題はある。アメリカのザ・バークレイズが終わるのを待っていたら、スコットランド時間では深夜12時にはなっていただろう(しかもプレーオフに突入していた)。そんな時間に発表しても欧州側の記者やメディアは集まりにくい。


もし深夜にHPで発表するなど手段が取れなかったのであれば、せめて翌日の早朝(アメリカ時間の深夜)ないしは昼(アメリカ時間の翌日朝)にずらすべきだったと思う。これは次回以降の課題として次期キャプテン、欧州ツアーは真剣に検討すべき。


少なくとも2人(ドナルド、ハリントン)のラウンドを台無しにし、FedEx Cupプレーオフの行方を左右したのは事実で、これは「米国中心」に考えているからではない。モンティが最低限できたことは、ケイシーとハリントンが同じ組で回っていたわけで、ラウンド中に発表してしまった後の現場の空気を察すべきだったと思う。自分もプレーヤーとして出場しているわけで、それくらいの配慮はあっても当然なのかと。


この世界、笑う者が一人いれば、泣くものが何百といます。ケイシーは氷山の一角に過ぎないし、ジョニーウォーカーで最後の奇跡にかけたサイモン・ダイソン、無念のリタイアとなったロス・マクゴーワンなど悔しい想いをして選手は山ほどいます。


選ばれた・選ばれなかったの話ではなく、もう少し選手たちのことを気遣った発表の仕方があっても良かったのかと・・・。


ライダーカップを盛り上げてくれるのは選手たちなわけですから。

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