全米オープン回顧:グレイム・マクドウェルの小噺

昨日のUSTREAM「全米オープン裏中継&解説Liveなう」の中で、ゴルフネットワークの解説者、薬師寺さんがグレイム・マクドウェルについて詳しく話していました。番組内で僕も入って話したかったのですが、なにせスタジオ内が混乱状態でしたのでここでこっそり紹介しておきます。


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photo: zimbio.com


実は、小生、マクドウェルが通っていたアラバマ州バーミンガム校(UAB)があるバーミンガムの新聞社でスポーツ記者のインターンをしていた時期がありました。アラバマ州には半年ほどいたのですが、ちょうどマクドウェルが開花し始めた4年生の頃(2001~02年)で、「UABに注目しておいた方がよいゴルフ部の選手がいるぞ」と編集長からも言われていたのを思い出します。しかし、アラバマ州をはじめとするアメリカ南部の州の多くは、大学スポーツといえば「アメフト(またはバスケ)」であり、メジャーなプロチームのないアラバマ州では大学フットボールが話題の中心で、ゴルフ部の成績に目を向ける人はほとんどいないのです。アラバマ州出身のプロアスリートの中にはテレル・オーウェンズ(NFL)や元NBA選手のチャールズ・バークレー(豚キムチ)などがいて、ゴルファーで注目されたのは昨年のスチュワート・シンクが初めてといっても過言ではないと思います。


番組内でも話しましたが、小生の大学同期にルーク・ドナルドという選手がいて、彼が出場した2001年夏のウォーカーカップのイギリス・アイルランドのチームにマクドウェルも入っていたため名前だけは頭の片隅に入っていました。しかし、当時のアマチュア選手の知名度ではドナルドが遥かに上回っていたため、「アイルランドにも良い選手がいるんだなぁ」程度のものでした。


このバーミンガムに滞在中、一度だけUABゴルフ部の練習を取材したことがあり、その当時のメモを昨日必死に掘り出してました。当時、ゴルフ部監督のアラン・コフマンはマクドウェルについて次のように話していました。


「彼は(アメリカの)新しい環境にうまく順応してる。ただ、彼をリクルート(スカウト)する際、私は彼のショットを一度も見たことがなかった。今(当時)チームにいる一人が私に『アイルランドに良い選手がいる』と薦めてくれたんだが半信半疑だった。そんな選手がウォーカーカップに入ってしまうのだから、分からないものだね」


「彼はアメリカ入りする際、メンフィスの空港に降り立ったのだが、税関で質問攻めに合い、何の目的にアメリカに入るのかをうまく説明できずにそこからの乗り継ぎ便を逃してしまったんだ。アメリカに入った最初の夜は空港近くのホテルで過ごしたんだ。不安だったと思うよ。まだ18歳で、右も左も分からない、全く違う文化の国に入ってきていきなり入国拒否されちゃうんだから」


「最初は私も彼の言葉の『訛り』に慣れるのに大変だったし、きっと彼もそう思っていたに違いない。南部の言葉は独特だし、彼が来た当初はサブウェイでサンドウィッチも注文できなかったほどだから。でもチームメイトのみんなが彼の『訛り』をネタにして冗談を言い合っていくうちに、うまくチームに溶け込めたんだと思う」


「何でも吸収してしまう選手。これからの成長が楽しみだね」


と言っていました。当時の大学選手で注目されていたのはゴルフで有名な大学に通っていたカミロ・ビジェガス(フロリダ大)やハンター・メイハン(オクラホマ州大)らがいます。しかし、2002年に6勝を挙げたマクドウェルは彼らを差し置いて大学No.1の称号でもある「フレッド・ハスキンズ・アワード」を受賞したのです。


コフマン監督は今回の全米オープン最終日までマクドウェルをサポートするため現地に駆けつけていたようです。


ということで、マクドウェルのプロフィールです。


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グレイム・マクドウェル
-身長:177cm
-体重:76キロ
-出身:北アイルランド
-出身校:アラバマ大学バーミンガム校(1998~2002年)
-住居(米):フロリダ州レイク・ノナ


・北アイルランド出身の全米オープン制覇は史上初。
・北アイルランド出身選手のメジャー大会優勝は1947年に全英オープンを勝ったフレッド・デイリー以来63年ぶり。
・ヨーロッパ出身選手の全米オープン制覇は1970年のトニー・ジャクリン以来40年ぶり。
・2001~02年、大学最後の年には12試合に出場し6勝。2002年、アメリカの大学トッププレーヤーに与えられるフレッド・ハスキンズ・アワードを受賞。大学選手ランキング1位で卒業。
・2001年のウォーカーカップ(全米VS英・愛のアマチュア選手による団体戦)の一員に選出。大会史上初の英・愛チームの連覇に貢献。
・2001年のウォーカーカップのチームメイトにはルーク・ドナルド、ニック・ドハーティーなどがいて、対戦チーム(アメリカ)には昨年の全米覇者ルーカス・グローバー、心臓移植をした選手として今年の全米でも話題になっていたエリック・コンプトン、D.J.トレハン、ブライス・モールダーなど。
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