WGC CA選手権結果:ミケルソン、「気合」の圧勝劇

WGC CA選手権後、セルヒオ・ガルシアはゴルフチャンネルのインタビューに答えていた。「No.1になれるチャンスがあったけど、やっぱりそれが脳裏にあったのかな?」と聞かれ、


「そうだね、少しは意識したかもしれない。僕の生涯初めてのことだったし。でも自分のショットが全く打てなかった。打て始めたら今度はパッティングが・・・。これで(世界ランキング)3位にも落ちちゃったわけだし(笑)まだまだってことだね」


31位という不甲斐ない結果にも実に淡々と話した。それもそのはず、フィル・ミケルソンが大会最終日に見せた異常なまでの「気合」を目の当たりにしたら、誰もがお手上げだろう。

WGC CA選手権でミケルソンは通算36勝目を挙げた。今季2勝目。世界ランキングもガルシアを再び抜いて2位に浮上。この勝利は2004年に初めてメジャーを制したマスターズに次いで価値のあるものだったのではないだろうか。


この週、ミケルソンは食中毒からくる熱中症と脱水症状と戦っていた。土曜日の第3ラウンド終了後、具合が悪化し病院に搬送されて点滴治療を2時間受けた。付き添っていたキャディのジム・マッケイは「最終日出場する可能性は50%くらい」と思うほど、ゴルフどころかまともに歩くのもままならない状態だった。


最終日がスタートしてまもなく、コースを歩いているプレーイングパートナーのニック・ワトニーに数十ヤードも後ろに置いていかれる場面も。「ニックには言ったんだ。『わざとスロープレーをしようなんて思ってない。体がついていかないんだ。許してくれ』と」とミケルソン。試合後、中継を担当していたNBCのレポーターがインタビューしようと近付くと「(病気を)うつしたくないんだ」と冗談交じりに握手を断るワンシーンもあった。


心身ともにぼろぼろの中でのプレー。それでもこれまで届きそうで届かなかったWGCのタイトルの目前まで迫っていた。タイガーは追いついてこない。ガルシアもいない。ここは世界No.3としての誇り、そして、タイガーが戻ってきたゴルフ界でまだまだ彼のライバルたちは屈しない姿を見せなければいけない・・・そんな男気一つだったのではないだろうか。


若手の一人、ワトニーが最後までしぶとく食い下がってきた。18番ホール、ワトニーは決めればプレーオフの可能性が残っていたバーディパットは一転がり、いや、ほんの数センチ(ミリ)足りず・・・。この日ばかりは「ミケを休ませてやれ」と天もレフティーの味方をしてくれたのかもしれない。


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photo: espn.com(最終ホールでバーディパットが一転がり足りず・・・N.ワトニーの方が「吐き気」を覚えたのでは)


気合だけで病を我慢してプレーする選手はいる。日本のツアーにもきっといるだろう。ただ、そんな状況下で2日連続「69」を叩き出せるかは別問題。


「最終組で競い合い、並び交わされ、また並び、プレッシャーと圧力を感じながら一打一打を打っていく・・・このプロセスを楽しんでいるんだ。全てはメジャーでいいプレーができるように。そこに繋がっているんだ」とミケルソン。


体がぼろぼろになっても気合で優勝杯を手にする。


不思議と去年の全米オープンのあの人を思い出してしまった。


役者は揃った。さぁ、もうすぐマスターズ!

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