フィル・ミケルソンまでも!?法の穴(「溝」?)をつくPing Eye2ウェッジ使用を巡る賛否両論

今季のPGAツアーは3戦を終了。昨日はビル・ハースがPGAツアー史上8組目となる親子による同大会制覇を達成(父・ジェイ)。優勝がかかった最終日18番、池越えの第2打目は「指が震えていた・・・打てたのが信じられない」とハースは振り返っていましたが、見ている方もヒヤヒヤでした。果敢に攻めたハースの2打目はグリーンを見事に捕らえ、そこから2パットでバーディを奪い通算30アンダーで逆転優勝となりました。


この試合だけを見ていればそれなりに盛り上がっていたのですが、開幕してから先週まで(そして恐らく今週も)話題になっていたのが今季から導入された新しい「溝」の規則でした。具体的にはこの新しいルールが導入されたにも関わらず、「例外」として認められている名器「Ping Eye2」のウェッジを使用している選手がいるのです。


無名選手ならまだしも、今週の「ファーマーズ・インシュランス・オープン」で今季初戦を迎えるフィル・ミケルソンもこのピンのウェッジを使うのでは?という噂が流れていて、選手、メディアとも異論反論あるようです。


【PingEye2問題関連】
スコット・マッキャロン「ミケルソンのピンウェッジ使用は『いんちき』」

そもそも、この新しい「溝」の規則とは何か?


JGA(日本ゴルフ協会)のサイトにはこう記載されています。


===========(以下抜粋)===========


2010年1月1日から、ラフからのプレーをよりプレーヤーの能力が試されるものにすることによって、正確性の恩恵を高めることを目的とするゴルフの用具規則の改正が行われます。


このクラブフェースの溝に関連する新しい規則は、R&AとUSGAの大規模な共同研究プロジェクトの成果です。この研究では、近代の溝の形状はプレーヤーにフェアウェイからのショットで発生させることができるスピンと同程度のスピンをラフからのショットでも発生させることを可能とし、結果として正確性の価値を減じていること示しています。


この改定された規則は、溝の体積と溝の縁の鋭さを制限することによって、フェアウェイからのショットとラフからのショットのスピンの差を著しく増加させます。溝についてのすべての既存の制限は依然として有効のままです。


溝の体積を制限する規則はすべてのクラブ(ドライバーとパターを除く)に適用されます。溝の縁の鋭さの制限はロフト角25度以上のクラブ(一般に、標準的な5番アイアン以下のクラブ)に適用されます。


============================


この規則導入でフェースの溝が「正方形型」からより「V字型」のものに変更を余儀なくされ、各選手オフの期間を利用して調整をしていたようです。


ただこの規則導入には一つだけオチがあるのです。


ピンでアイ2(Ping Eye2)であれば新規定の溝の形をしていなくても使用が認められているのです。古いピンがルール適合とされているのは、ピンが1990年に「正方形型の溝(スクエア・グルーヴ)」を巡ってUSGAを訴え勝訴した判決があるからなのです。この裁判で1990年4月1日以前に製造されたピンアイ2は「ゴルフ規則・用具」で認められることになっているのです。


この法の穴を突いて今年からピンのウェッジを使っているのがジョン・デイリーディーン・ウィルソン


大学時代に出場した1986年全米オープンで初めてピンアイ2のウェッジを使用したデイリー。それから1991年の全米プロ選手権優勝まで使い続けたとのこと。今年からデイリーはピンアイ2のPW、SW、ロブウェッジをキャディバッグに入れているそうです。デイリー同様、ウィルソンも1980年代に使っていて、既に自宅の倉庫に眠っていたピンアイ2ウェッジを今年から使うことにしたそうです。


そして、今週の「ファーマーズ・インシュランス・オープン」で今季初戦を迎えるフィル・ミケルソンまでが使用する可能性が出ているようです。デイリーとウィルソンが使用していることを耳にしたミケルソンは、同様に古いクラブを引っ張り出し、ライ角を64度に、そしてソールも調整したのだとか(ピンウェッジをキャロウェイに調整したそうです・・・)。ミケルソンも大学時代にピンのクラブを使用していて、昔使っていたお古は山のようにあるのでしょう。

今週の大会でミケルソンが使用するようなことがあれば、更に話題になるはずです。ただ、ミケルソンは実際の試合で使うかを迷っているそうです。その理由は


「ゴルファーの精神に反しているのかどうか」


ということ。


適合か不適合かで言えば適合。


ただし、それが正しい行動か否かは意見が分かれるようです。


反対派
ボブ・エステス
「俺はピンの古いウェッジは絶対に使わない。ゴルフの精神に反している。彼ら(デイリー、ウィルソン)は使えばいいけど、古いルールに隠れまわるようなことはしてほしくない。彼らも他の99%の選手たちと同じルールでプレーすべきだ。・・・誰も何も言わない、暗黙の了解で(未確認のクラブ技術開発を使用する)文化が長く続きすぎている。10センチもあるバミューダのラフからバックスピンをかけられる奴が出てくるのは論外だ」


スチュワート・シンク
「俺は問題だと思う。特定の選手に面と向かって『使うな』とは言えないかもしれないけど、使用すべきではないと思っているのは俺だけではないはず。ツアー側は手を縛られている。(止めさせるのは)周りからの圧力しかない」


賛成派
ディーン・ウィルソン
「ボブは俺に直接何も言いにきていない。仮に聞かれたら、同じことを言うよ。俺の場合、グルーブ(溝)云々の問題じゃないんだ。信頼できるかできないかの問題なんだ。グルーヴからアドバンテージを得ようなんて思っていない。ボブは完全に間違っている。よく考えてから発言してほしい」


「ピンが作ったクラブの中で自分が信頼して使えるものがなかった。だからルール適合のクラブで練習し使用してみただけだ。クラブのソールが気に入っているんだ。問題はグルーヴ(溝)じゃないんだ。これほど大騒ぎされるとは思わなかった」


ジョン・デイリー
「ピンは俺が持っているウェッジは全部使用できると言っていた。多くの選手も使い始めると思う。現に、ebayで買いあさってる奴もいるらしいしね」


デイリーによると、開催コースのラフによってバッグに入れるウェッジを変えていくとのこと。「必ずしも従来のものが全てのコースで合うとは限らない」とデイリー。


デイリーが言っていた言葉が気になり、ebayにどれだけ出品されているのかを見てみました。すると・・・


pingeye2ebay20100128.JPG
via ebay


なんと、Ping Eyeシリーズのウェッジが88本も出品されていました。ちなみに日本のネット市場ではヤフオクが3件、GDOの中古が0件でした。海の向こうのゴルフ界ではPing Eye2がメディア、選手、そして一般ゴルファーの間でも注目されているようですね。


実際、ピンの古いウェッジを使うことでどれだけのアドバンテージが得られるのかはまだ分かりません。ラフからのショットのスピン量が増えたとしてもそれがスコアに直結していないからです(デイリー、ウィルソンはここまで上位争いしていない)。エステスとウィルソンの口論は一先ず落ち着いたようですが、今週ミケルソンが優勝、または好成績をあげるようなことがあれば、再び話題に挙がるかもしれません。


ましてや、ミケルソンが得意とするグリーン周りでピンアイ2を使ってスーパーアプローチショットなんかしてしまった日には・・・。


「ゴルファーの精神に反している」のか?それともルールに沿ってプレーしているから反していないのか?


うぅーん、難しいですね。


PR

Access Ranking

Golf-aholic.com