以前にもお伝えした心臓移植ゴルファー、エリック・コンプトンがQTでカート使用を許可された件。先週、そのQT第1次予選会が行われた。4日間のストローク競技で上位23位タイまでが11月12~15日の2次予選に進出。
コンプトンは3日間を終えてカットラインまで7打足りていなかったが、最終ラウンドこの日のベスト「68」を記録。カットライン近辺の選手が総崩れしたことも幸いし、通算8オーバーの23位タイで奇跡的に2次予選へ駒を進めた。

photo: golfweek.com
最終ラウンドのスタート前、コンプトンは天気予報を見るためにチャンネルを回していると、ゴルフチャンネルで自分のことが取り上げられているのに気付いた。解説者の一人が「よく頑張った。さすがに7打差は厳しい」と言った。
「モチベーションになった。周りはいつも僕をよそ者にするんだ」
ゴルフの神は本当にいるのかもしれない。
カートに乗りながらのプレーで迎えた最終日。コンプトンは予選通過までは6打、通過するには7打足りない計算だった。
しかし、心臓移植を2度、新たに2度生きる力を与えられた人にとって、6打差なんてあってないようなものだったのかもしれない。コンプトンは今年の5月に2度目の移植手術を受けたばかりで、まだリハビリもままならない状態。にも関わらずプロゴルファーの道を諦められず戦い続けた。PGAツアーは心臓に負担がかからないためにもカート乗用を許可し、チャンスを与えた。
周囲の選手たちが強風と悪コンディションでスコアを崩していた。コンプトンは最終ホールの5メートルのバーディパットを外してしまい、「あと1打足りない」ことを分かっていた。ホールアウト後、苛立ちのあまりボールを投げ捨てた。
1時間ほどクラブハウスで他の選手がホールアウトするのを待っていた。カットラインが下がってきた。そして、通過したことが告げられた。ゴルフの神が見放すわけがなかった。
「足りないと思っていた。通過できたことは素直に嬉しい」
コンプトンは学生時代、あの今田竜二と同じジョージア大学で全米のトップアマチュアとして注目されるほどの選手だった。今田がジョージア大4年目で「NCAA学生選手権」チーム優勝に導いた年、コンプトンは「レッドシャート・フレッシュマン」といって「チームの一員であり共に練習はできるが、試合に出場はできない」ステータスだったので、厳密に言うと今田とは一緒のチームでプレーはしていない。しかし、翌年、翌々年と全米選抜選手になるほどの実績を挙げ、2001年にプロ転向を果たした。
そこから持病との戦いが続き、諦めかけたプロの道を求めて今年のQTへ。第1の難関は突破した。残る予選は2回。最終的には25名に来年のシード権が与えられる。
「まだできることを証明したい」
心底、応援したい。

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