ザ・ヘリテージ事前:改めて注目される「ルーク・ドナルド病」

今年最初のメジャーから2週間。今週の「ザ・ヘリテージ」にはマスターズでも善戦したジェイソン・デイボー・バン・ペルトらも出場予定で再来週のザ・プレーヤーズ、そして6月の全米オープンに向けて有力選手は各々のスケジュールで調整に入っていきます。米ツアーもここからがいよいよ華僑です!


マスターズで強烈なインパクトを残した選手がもう一人、ザ・ヘリテージに出場します。ルーク・ドナルド-今年こそ目玉選手になりそうな予感がします。

現在世界ランク3位のドナルド。今季は既にWGCアクセンチュアマッチプレーを優勝、そして先々週のマスターズでは4位タイ(自身メジャー最高位)。最終18番を9アンダーで迎え、二桁アンダーでホールアウトしないと優勝の可能性がなくなる局面で、難しいライからの第2打目がピンを直撃、ボールは不運にもグリーン手前までこぼれてしまいました。もう誰もがドナルドのバーディを諦めていましたが、次の3打目を直接カップイン。小生、長い間この選手を見てきていますが、こんなに喜びを露にしたのは初めて見ました。


LukeDonald0420.jpg
photo: zimbio.com


このショットを見逃した方はどうぞこちらから。(2:45あたりからご覧ください)



マスターズの前夜祭的なノリで行われる「パー3コンテスト」を優勝した選手は同年の本大会を優勝できない、というジンクスがあります。今年のパー3を優勝したドナルドは、最終日の途中まで上位争いに食らいついていましたが、12番で池につかまり後退。それでも最後の最後に意地、世界No.3としてのプライドを見せクラブハウスリーダーに並んでホールアウトしました。


「これだけ接戦のマスターズは見たことがない。12番の一打だけバッドショットで、その代償は大きかった。それでも踏ん張った。・・・ミスをしてもすぐに気持ちを取り直してバーディを奪って悪いイメージを振り払おうとしていた。緊張はしてなかった。リラックスできていた。・・・オーガスタのセッティング上、必ず何回かはミスショットは出てしまう。12番の一打はしばらく脳裏から離れないだろうな」


と振り返っています。


このマスターズで一つ証明したことがあれば、「メジャーでは勝てない、でもグレートプレーヤー」というレッテルが誤っていたということでしょう。アマチュア時代からウォーカーカップ、プロに入ってからもワールドカップ優勝、ライダーカップの欧州チームを牽引するなどグローバルに活躍できる選手であることは誰もが認めていたのですが、メジャーになるとどういう訳かショットのキレが発揮できず、優勝争いから遠のいてしまっていました。それぞれのメジャーで敗因はあったにしろ、ドナルドの大学からのコーチ、パット・ゴスはそんな「ソフト」なイメージのドナルドは今年のマスターズで変わった、と分析しています。


「ライダーカップのルークを見たのがこのマスターズが初めてだった。闘志をむき出しにしていたし、誰ともガチンコで対決する姿勢を見せていた。恐怖心もなかった。ミスをした後は必ず這い上がってきた。・・・今のルークは自分がやっていること、練習の取り組み方などが正しいと信じてやれている」


一時は歯車が完全に狂ってしまった時もありました。2007年、ティショットの飛距離による「コンプレックス」から飛距離アップのトレーニング、練習を取り入れたのですが、結果は成績が安定せず、最終的には2008年全米オープンで手首を負傷。シーズンの残りを棒に振ってしまったのです。


「自分ではもっと遠くに飛ばさなければいけないと思っていた。俺のコーチはそう思っていなかった。彼は俺はこれでも十分戦えると思っていた。でも毎週毎週、俺は距離で置かれてしまっていて、遠くに飛ばしていた選手が優勝していた。そこで俺ももっと飛ばさないといけないという考えに陥ってしまった。ケガをしたのもそれが一つの原因だろう。スイングも理想とはかけ離れたものになってしまった」


とドナルド。復帰をかけた2009年、全英オープンで自身メジャーベストの5位タイに入った直後、英メディアに叩かれたのです。英メディアに執筆していた米ジャーナリストが、5位に入って満足しているようではイギリスゴルフも未来がなく、ドナルドは「努力が足りない、モチベーションが低い」と言われ、挙句の果てには勝てなくても満足してしまう一流プレーヤーを「ルーク・ドナルド病」とまで言い切ったのです。


「正直、ルークがメディアに左右されたのはこれが初めてだった。いつもは右から入って左に流すんだけど、これはロンドンの大手新聞だった。彼は英国出身であることを誇りに思っているから、彼はこの批判は重く受け止めた。酷い言い方だったし、その内容に真実の欠片もなかった」


とゴスは振り返っています。その記事の内容が今のドナルドのモチベーションになっているのかは定かではありませんが、スタッツだけを見れば「努力」が数字に表れています。PGAツアーでの平均スコア、パット数で堂々の1位、さらには苦手としていた飛距離が求められるパー5での平均スコアも3位。マスターズでも見せたあのショートゲームの腕はここにきて磨きがかかっています。


「ショートゲームだけを見れば彼が世界No.1だろう。フィル・ミケルソンとラウンドしたことがあって、彼のショートゲームもアンビリーバブルだと思った。でも今ルークが見せているショートゲームは・・・『冗談だろ』と思ってしまうレベルだ」


と言うのはドナルドにWGCアクセンチュアの決勝で負けた世界No.1マーティン・カイマー。


もっと面白かったのは昨年の11月に行われたWGC HSBCチャンピオンシップで3位タイにドナルドが入った後のジョー・オギルビーのTwitter上での呟き。


「誰か...『ルーク・ドナルド病』ってどこでうつしてもらえるか知ってる人いませんか?」


マスターズから中1週で挑む今週のザ・ヘリテージ。気分一転、ここらでマスターズのプレーがホンモノだったところを見せてほしいですね!

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