タイガーの優勝で改めて浮き彫りになった「ワールドランキング」システムの欠陥

「シェブロンワールドチャレンジ」で約2年ぶりの優勝を挙げ、久しぶりに渾身のガッツポーズも見せてくれたタイガー・ウッズ。まずは、お帰りなさい・・・と、先日書きました。「来年はカムバックプレーヤーオブザイヤーを狙う」とか冗談を言う余裕が出てきたタイガーについても先日お伝えした通り。


タイガーの優勝からしばらく経ち、情報サイトやSNSの書き込みなどを見ていると、やはり私も抱いていた疑問を抱いている人が意外と多くいました。


「18名のフィールド、非公式大会・・・これって『優勝』って言えるの?」


と。まず、大前提として、個人的には今回のシェブロンは立派な「優勝」だと思います。相手が1人であれ150名であれ、ストロークプレーの大会である以上、勝ちは勝ち。


ただ、「優勝」の後に


* (注意書き)


は付けてもいいかもしれませんね・・・特に今年は。

tigerwoods20111206.jpg
photo: zimbio.com


タイガーのシェブロン優勝会見で興味深いやり取りがありました。


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Q:この試合がエキシビションの要素が強く、本当のPGAツアーの試合、メジャーではない、という見方をする人もいるでしょう。勝ちは勝ち、でもそういう見方をする人に対しては何と言いますか?


タイガー:
「(この試合)はワールドランキングポイントがある」


Q:ワールドランキングポイントはありますし、賞金額が多いのでいつも良いフィールドが集まる。もちろんチャリティーの受入先もある。でも今週はサンシティー(南アフリカツアー)と香港(欧州ツアー)というライバルがいたため、質の高いフィールドを集めるのに苦労したのでは?これまでよりも強く説得しなければいけない選手がいたんですか?


タイガー:
「難しいよね。欧州ツアーに所属している選手は自分たちのツアーをサポートしなければいけないし、そっちの大会も賞金額は大きい。(南アフリカツアーの)ネドバンク(ゴルフチャレンジ)に出場した選手たちも移動が嫌だから、時差のことを気にせずにそのまま残って準備してプレーした選手もいる。もちろん、そこだって賞金は大きい。だから、Race to Dubaiの直前のこの時期は厳しい。今年集まったフィールドには大満足している。多くのトッププレーヤーが集まってくれた。これまでは(今年よりも)インターナショナルプレーヤーが多かったけど、今年はアメリカ色が濃かったかもしれない。


「どうなるかはこれからの課題。全てはスケジュール。今となってはRace to Dubaiは直面しなければいけない新たな現実となっているからね。どうにかしてスケジュールをうまく組み替えることはできるのかもしれない」
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つまり、タイガーの言葉を要約すると、


■シェブロンはワールドランキングポイントが与えられる試合である以上、「非公式大会」という位置づけはナンセンスであり、


■ただ、そうは言っても、近年は他にも選択肢が増えていて、将来のことはちゃんと考えていかないとこの試合の意義(ワールドランキングポイントの有無)も問われ始めちゃうかもね・・・


といったあたりでしょう。


ちなみに、この優勝でタイガーが得たワールドランキングポイントは44点。ランキングに反映される直近の2年の成績では最多で、次点は昨年のシェブロンをプレーオフで負けた時に獲得した30点。衝撃的な事実としては、2010年のマスターズ、全米オープンで4位タイに入った時に獲得したポイントは27点。今年のマスターズの4位タイでは24.67


シェブロンに出場していた18名とその時点でのワールドランキングは次の通り。


タイガー・ウッズ(52位)
ザック・ジョンソン(47位)
ポール・ケイシー(21位)
ハンター・メイハン(19位)
マット・クーチャー(11位)
ジム・フューリック(45位)
マット・レアード(43位)
リッキー・ファウラー(28位)
ババ・ワトソン(18位)
ボー・バン・ペルト(24位)
ゲーリー・ウッドランド(48位)
K.J.チョイ(15位)
ウェブ・シンプソン(9位)
ビル・ハース(22位)
ジェイソン・デイ(8位)
スティーブ・ストリッカー(6位)
キーガン・ブラッドリー(27位)
ニック・ワトニー(10位)


フィールドの「強さ(ランキング)」だけではなく、フィールドの「質」も考慮していってもいいのかもしれませんね。マスターズで4位タイに入るより、18名の試合で優勝する方がはるかにポイントが多いなんておかしな話ですよね・・・。ましてや、この18名は全員マスターズにも出てるわけで。この辺がワールドランキングポイントシステムの盲点なのかもしれませんね。


タイガーの優勝が仮に44ポイントの価値があったのであれば、大会名の横には


注)フィールド18名、平均ワールドランキング25.1(上位18名のフィールドであれば9.5)


とあってもいいのかもしれません。


タイガーが勝つことはゴルフ業界、スポーツ界全体にとってもプラス。ただ、新聞などの巨大メディアによる「タイガー、復活優勝!」というお祭り扱いはやめてほしいものです。一歩引いてその優勝の価値を冷静に捕え、それを伝えていくこともメディアの大事な仕事。タイガーが優勝したことによって見えてきたずさんなシステムについて伝えていってほしいなー、なんて思ったり。


そういう機会を与えてくれるのもタイガーですからね。改めて感謝ですね。

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