韓国SBS、PGAツアー開幕戦スポンサー決定に感じる日韓の「温度差」

先週、韓国の大手放送局『SBS』が来年からハワイ、カパルアで開催されるPGAツアーの開幕戦をスポンサーすることが発表されました。 1994年以降、15年間に渡りPGAツアーの開幕戦を主催してきたメルセデス(2007年以降はメルセデスベンツ)に変わり、「勝者が集う」大会の主催者になったようです。


>via: pgatour.com


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photo: flickr@d9hp


『メルセデス』という冠が『開幕戦』の代名詞になるほど、メルセデスベンツ社のゴルフへの貢献度は大きかったと思う。前年度の優勝者にしか出場権が与えられない大会で、見ているほうからすると一年の始めに改めて前年度の勝者を称え、「年越しは紅白を見る」ではないですが、「年明けはメルセデス」といった感じでどこか不変的な時間軸を感じさせる大会のような気がします。


しかし世界的不況に勝てず、メルセデスベンツは今季限りで冠から降りることが決定。そして、皮肉にも、今季限りで女子LPGAツアーの開幕戦スポンサーから降りたSBSがメルセデスベンツに変わって冠になったのです。契約期間はなんと10年。


PGAツアーにとって、アジア企業がハワイ開催の大会をスポンサーしてくれることは願ったり叶ったりのはず。まず、時差の問題があります。アメリカの企業に対して、「この大会はこれだけすごい選手が集まるんです!」と訴えかけても、「試合がやってる時、僕らは(ターゲットとなる消費者も含め)まだ寝てますから!」とスポンサーシップを断る理由はいくらでもあったはず。しかし、これがアジア各国であれば、大会が最も盛り上がる終盤はちょうど昼間の時間帯。テレビ局がハワイでの大会をスポンサーしようと思うのも納得ができます。


更に、この不景気の中、PGAツアーにとって今回のディールが初の新規顧客だったことは嬉しかったことでしょう。しかも、既存のスポンサーは金融系と自動車メーカーが大半を占めていて、新たに「メディア」が加わることになります。「これまでツアーを支えてきてくれたアメリカを代表する『伝統的』な産業から少し視野を広げることは、数年後、将来的には重要なこと」とPGAツアー会長のティム・フィンチャム氏は言っています。


さらにハワイという立地条件もあります。韓国からは7時間強でハワイに行けますし、年始はアジアからの観光客も多い。そもそも、ハワイには日系を含め、アジアの血が今もなお根強く残っています。


そこで単純な疑問。


「なぜ日本のテレビ局は手をあげなかったのか・・・」


この疑問の正解は複数あると思いますし、必ずしも何が正しいとは言えないのでしょう。スポンサーする・しないを最終的に決定させたのは「精神論」だった気がします。


やる意味があるか、ないか。


ゴルフを国民に広めたいか、目先の利益を優先するか。


もっと言えば、


ゴルフ愛があるか・ないか、なのだと思う。


韓国を代表するPGAツアー選手といえば崔京周(チェ・キョンジュ)。今年はまだ低迷していますが、毎年必ず自力でツアーカードを獲得しています。更にはマスターズでは石川遼とともに注目された若手、ダニー・リーは韓国出身のニュージーランド国籍。あとはY.E.ヤンチャーリー・ウィーなどもいますが、ツアーで毎年何勝もするようなスーパースターがいないのは日本と同じ境遇。昨年、今田竜二がツアー初優勝を挙げましたが、人数でいえば、日本の方が多くのPGAツアー優勝者を輩出しているのです(日本3名、韓国2名)。


ということは、SBSの決断は「選手ありき」のスポンサーシップでなかったことが分かります。


この辺に、日韓のゴルフ文化を成長させようとする意気込みというか、熱意というか、両国の温度差を感じざるを得ません。


今年のマスターズでも顕著でしたが、最近、日本のゴルフ報道は何かにつけて石川遼におんぶに抱っこ状態。本人がどう感じているかは別として、石川がケガなどで長期離脱、またはデビッド・デュバルのように大不振に陥ったら、日本のゴルフは再び低迷期に突入するのでしょうか・・・。


「ゴルフの何に夢を持てばいいのだろう・・・」


この疑問は、ゴルファーに最も影響力のあるメディアの各人が日々考えていかなければいけないような気がします。


たとえこんなちっぽけなブログを更新している管理人でも。


ちょっぴり真面目に考えさせてくれるSBS&PGAツアーのニュースでした。

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